アップサイクルチームは、山梨県富士吉田市にある織物工場「渡邊織物 / Watanabe Textile」を訪れた。工場3代目の渡邊竜康さんにお話しを伺い、工場見学をさせていただいた。
1948年に創業した渡邊織物は現在、渡邊さんとご両親と、必要なタイミングに合わせて信頼しているスタッフにサポートを受けながら運営されている。2代目であるお父様は、古い織機を維持し続けるメンテナンス技術を持ち、工場の物作りを支えている。既に生産が終了している部品をストックし、約40年ほど前から使用しているドビー織機は何度も修理を重ね、今も現役で稼働している。
3代目の渡邊さんはこのドビー織機を駆使し、独自で新たな技術開発を行った。機械と素材を手作業で切り替え、シームレスに素材が切り替わるテキスタイルを開発された。その技術は渡邊さんのテキスタイルブランド、Watanabe Textileを代表している。Watanabe Textileの織物はお父様の代から続くスーツの裏地作りの延長にある。スーツの裏地と同様に、ほとんどの織物に経糸にキュプラを使用している。キュプラは本来なら捨てられてしまう、コットンの種の周りに生えている産毛を原料とする100%植物由来の再生繊維である。繊維の断面が真円に近く滑りが良いので、肌にも優しく、水分の吸放湿性にも優れ、静電気も起きにくいのも特徴だ。微生物の力によって土にも還る、生分解性の繊維でもある。
デザイナー、写真家、建築家でもある渡邊さんにとっての織物は、それらすべて繋がっているもの作りであるという。「作ると意気込んで作りにいくのではなく、自然の流れで表現した物の方がより広がりを持つ」。渡邊さんにとっての表現は、生まれ育った富士吉田や富士山周辺の自然と深く繋がりを持つ。この自然の中で無意識に育まれ、感じてきたことが作品に反映され、美しく心地の良い素材や製品作りが行われている。
渡邊さんの織物の多くは自然由来の染色や素材を活かした作品が多数ある。泥染め、藍染、ブルーベリー、渡邊さんが自ら集めた松ぼっくりなどで染色された織物はどれも優しく、手に取りたくなる風合いだ。自然の素材を使い、大切に物作りをする渡邊さんの姿勢に感銘を受けました。
Watanabe Textile
https://tatsuyasuwatanabe.com/
〒403-0009 山梨県富士吉田市富士見5-7-18
